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No.59 JRSメール配信サービス(2008.09.16)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

JRSメール配信サービスをご購読いただき有難うございます。

今回も、都市銀行の審査部長等を歴任され、現在も中小企業に対するアドバイス・講演活動にご活躍中の野口能孝先生に金融機関からの利上げ要請への対応法についてご提言をいただきます。

 

 

 

金融機関からの利上げ要請にいかに対応したらよいか

 

 

 

~世の中が大きく変わっている~

 

世の中が大きく変わろうとしている。公的年金・保険制度、国会のねじれ現象などの政治的・社会的な問題もあるが、最も大きな問題は世界的な異常なインフレの到来であろう。

石油価格は一時1バーレル140$近くまで、直近でも110$前後と1年前の2倍近い水準まで高騰、原料炭の価格も1年で3倍に跳ね上がった。麦やとうもろこしなどの食料品の値上がりも大きく、それに伴って、食品などの生活必需品も軒並み上昇している。

石油や穀物価格の値上がりの原因は、長期的には中国やインドなどの新興国の成長で生活水準が向上しこれらの需要が増えたためであるが、加速要因として、サブプライムの崩壊で国際通貨ドルへの信用不安が高まり、行き場を失った世界の余剰資金が石油や穀物の投機に向っていることが現在の異常な高騰を招いていることにある。

インフレと金利の動きは密接な関係にある。EUは景気対策よりインフレ抑制重視に金融政策を変更し、景気後退下の米国もインフレ対策を重視し、これまでの金利引き下げ政策は終了している。

 

~企業はどのように対応したらよいか~

 

こういう状況のなか、企業側は、どのように利上げ対策の行動をすればいいだろうか。

第1の対策は、先行き金利高や不透明さを予測して、資金を調達する場合には長期の固定金利での調達を行うことだろう。中小企業の場合、具体的には政府系金融機関の活用や長期固定での借入を銀行に頼んだり、縁故債を銀行に持ってもらったり、地方公共団体が行っている信用保証会保証付き斡旋融資を活用することなどである。

第2の利上げ対策は、ここ数年で銀行取引の仕組みが様変わりしていることを認識したうえで対策を講ずることである。すなわち、新しい仕組みでは、取引の金利水準は全融資先に付している「信用格付け」のランクで基本的に定まること、企業の格付けは決算数字などの定量的評価点と技術力などの定性的評価点の合算でランキングが決まること、業績悪化などで評価ランキングが下がると金利が引き上げられることである。このなかで、自社のランキングをどう引き上げるか、業績悪化の場合でもランクダウンをどう最小限に食い止めるか、銀行側に対して、具体的な文言と数字を掲げて「強い事業基盤」「将来性」を強くPRして、企業側の「信用リスクの不安」を軽減させることでなにより肝要である。

その上で、昔からよく使われている駆け引きをしたたかに行うことである。例えば、自行の大切な取引先に、他行が新しく取引を始めたりして食い込んでいる場合、最も神経をとがらせるが、これを逆手にとって「実は○○銀行が熱心に通ってくる。レートも○○%でいいと言っている」などと、銀行の得意先係の人につぶやいてみる方法である。

また、銀行が嫌うのは、自行の貸出を返済期限前に返済されることである。だから、得意先係の人に、「お金が余っているので、少し返済しようと思っている」などと、嫌味にならない程度にささやいてみるのも一法だと思う。

 

 

 

経営コンサルタント・中小企業診断士

                    野 口 能 孝

 

 

 

 

 

関連情報

 

 

JRS経営情報(サンプル)    テーマ「金融関係」

■ 中小企業向け金融検査マニュアルを理解する (PDF) 情報番号1177-2789

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■ 金融機関による経営者の評価とポイント (PDF)     情報番号1177-2792

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JRS会員の方は2008年INDEX 216P 金融関連情報を併せてご活用下さい>

 

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