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No.63 JRSメール配信サービス(2008.11.14)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

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今回は、都市銀行の審査部長等を歴任され、現在も中小企業に対するアドバイス・講演活動にご活躍中の野口能孝先生に動産担保融資の利用についてご提言をいただきます。

 

 

 

急成長する動産担保融資とその利用法

 

 

 

動産担保融資とは「商品在庫」という動産を担保にする融資のことである。従来、金融機関は中小企業向けに融資を行う場合には土地などの不動産を担保に取るか、連帯保証を徴求するかのいずれかであった。動産は担保として認めていなかったのである。

動産を担保にとってほしいというニーズは以前から強かった。それにもかかわらず今まで普及しなかった理由として、動産担保にはアメリカのような登記制度がなかったため、第三者対抗要件を備えるためには担保物件を占有するしかなかったが、商売をスムーズに行うために担保物件を債務者の手元に置かざるをえず、1つの動産に二重に担保が設定されるということが度々行われ、担保としての機能を果たせなかった点が挙げられる。また、担保物件となる商品は千差万別であり、適正な評価が難しいなどの難点があった。

しかし、経済産業省の支援のもと、2005年10月から動産譲渡登記制度が導入され、動産担保についてのリスクが軽減されたため、最近になって動産担保が注目されるようになった。中でも、注目を集めているのがABL(アセット・ベースド・レンディング)と呼ばれる手法である。これは、在庫商品だけを担保に取るだけでなく、これを販売することによる売上債権、などを一体的に担保にする点が特色である。  

具体例としては、商工中金が豚など家畜の耳にICタグをつけて在庫管理を行う手法で家畜を担保に融資を行なっているほか、ワイン、日本酒、焼酎、野菜、ずわいがに、染色仕上げ機械、ステンレス、チタンなどさまざまな商品を担保に取っている。

都銀も積極的であるが、商品担保は小口の融資であり、基本的には地域金融機関に向いている。最近では、東北地方、九州地方などの地域金融機関の取り組みが話題を呼んでいる。

動産担保融資は土地などの不動産の保有が少ない中小企業にとって、資金調達手段の多様化につながる極めて有用な資金調達手段である。

金融庁の調査によると2005年度では27件融資額47億円に過ぎなかった動産担保融資が、2006年度には153件・131億円、2007年度には517件・1,417億円に急増した。日本全体の融資に占める割合としては、微々たるものだが、商品在庫融資の市場規模は、経済産業省の試算では100兆円となっており、今後大きな拡大が望める。

動産担保融資は担保評価に専門性が必要、融資手続きが面倒などの課題があるが、事業を拡大しようにも担保がネックになっている場合には、自社の商品を担保にして融資が受けられないか、金融機関にざっくばらんに相談してみることである。動けば道は開けるかもしれない。

 

 

 

経営コンサルタント・中小企業診断士

野口能孝

 

 

 

 

 

関連情報

 

 

JRS経営情報(PDFサンプル)    テーマ「多様化が進む融資担保の形態

■ 売掛債権担保融資/保証協会型以外にも新たな民間機関のシステム

                        情報番号 20071546

■ 在庫担保融資/法制度の整備で次第に拡大        情報番号 20071547

■ 中小企業にも無担保社債発行の流れ/証券化が後押し 情報番号 20071549

 

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