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No.92 JRSメール配信サービス(2010.01.29)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

JRSメール配信サービスをご愛読いただき、ありがとうございます。

今回は、前回に引き続き、(社)中小企業診断協会副会長、イー・マネージ・コンサルティング協同組合理事長等の要職を務められ、中小企業の抱える諸問題に関する経営コンサルティング等に幅広くご活躍されている、中小企業診断士、ITコーデイネータ・CTP(認定事業再生士)である小林勇治様から、『トップの補佐役のなすべきこと~その2 社長の間違えを「どのように悟らせるか」が補佐役の力量』と題して提言いただきます。

 

 

 

トップの補佐役のなすべきこと~その2

社長の間違えを「どのように悟らせるか」が補佐役の力量

 

 

 

補佐役として大切なことの一つに、トップに「どのようにして間違えを悟ってもらうことができるか」ということである。権力者は過去の成功体験を持っている場合が多い。そのような人にいかにして間違えを悟ってもらうかは大変なことである。

 

前回に続いて歴史から学んでみよう。慶長5年(1600年)春日山城主堀秀治の密告で上杉の謀反の疑いありとした家康は、上杉景勝へ上洛せよとの書状を送った。景勝と兼続は返書にて潔白を示し、家康の理不尽さをただすことにする。世にいう「直江状」の送り付けである。

 

このとき、兼続は、景勝に対して補佐役としてどのようなことを言ったのであろうか。「直江状」を出せば、家康は怒ることは必至である。景勝と兼続はこのことを想定していると思われる。その際、事前に蟄居中の石田三成と会った事や密約を景勝に感じ取らせていないだろうか。それなりの勝算があることを悟らせた後に、義を通すべきだと進言したのではないだろうか。ここが補佐役の大切なことである。上司の志を理解しつつも、勝ち目のあるものにしなければ補佐役は果たせないのである。

 

案の定、兼続の書状に怒った家康は、挙兵し征伐に出る。会津軍を前にして、9月石田三成の挙兵を知って、西へ折り返すことになる。その時兼続は家康を一気に攻めるべしと進言したが、景勝は「義」にそむくと言って、追跡はさせなかった (このとき家康を攻めていたなら、歴史は大きく変わったに違いない。) 。

 

一方兼続は最上(伊達政宗系)との戦いに備えていた。景勝は自ら長谷堂城攻めに出陣しようとしたが、兼続に城に構えるべしと諭される (なぜこのとき城に構えるべきと言ったのであろうか。補佐役としての力量が発揮された一瞬ではないだろうか。関ヶ原の戦いが始まる前に長谷堂城攻めを行えば、家康に安心感を与えてしまうし、三成への義理立てもできない。そこで関ヶ原の戦いが始まる直前まで待たせたのではなかろうか。) 。

 

結果として景勝は、9月15日まで出陣を待つのである。家康は上杉倒伐に来るわけだが、それを兼続は読んでいたのではなかろうか。その辺も景勝に悟らせたに違いない。関ヶ原の戦いが始まり、それが後に、家康が関ヶ原の戦いで勝利して上杉家お家取り潰しに直面するが、西軍に義があることを貫くと同時に、三成の遺言「生きてわれらの正義を後世に伝えよ」を伝え聞いた兼続は家康のせん議の際に、上杉の義を述べることで上杉家存続に繋げたのである。

 

このように、兼続は、それぞれの局面に大切なことを上司である景勝に進言しているが、いずれも勇気ある行動であった。それだけに、進言する裏付けをさり気無く知らせ、自分の言っていることが正しいことを景勝に悟らせるようにしたのではあるまいか。名補佐役を見た一面である。

 

 

 

中小企業診断士

小林勇治

 

 

 

 

 

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20070244

 

 

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