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No.208 JRSメール配信サービス(2017.08.28)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

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企業経営にとって、経営者にとって、「利益を上げ、会社をマネジメントしていく」ためには、単に「決算書の見方」を知っているだけでは、不十分です。

企業会計は、その目的や提供する相手により、「財務会計」と「管理会計」に分けられます。

今回は、「管理会計はマネジメントの道具です」というテーマで、「企業経営における管理会計の重要性」について、中小企業診断士グループ「Cの会」所属の荒井剛志氏により、解説していただきます。

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

 管理会計はマネジメントの道具です

 

 

 

会社は、商品仕入、材料購入、従業員の雇用と教育など、様々な費用を使って商品やサービスを提供し、その対価を、お客様からいただきます。また、その過程で、様々な資産や負債が発生し、費用より対価が多ければ利益になります。

 

この会社の活動を、社会の共通ルールに基づいて会計的に記録し、整理・計算することで決算書を作ることを財務会計と言います。

外部の関係者(金融機関、税務署等の行政組織、主要取引先等)にとっては、この「社会の共通ルールに基づいている」ことが重要になり、会社の収益性、健全性などを客観的に評価することが出来ます。

 

一方、経営者が会社をマネジメントしていくためには、決算書だけでは十分とは言えません。

例えば、

会社全体が対象であるため、個別の部門や製品に対する判断が出来ません。

会計期間(通常は1年間)で作られるため、より短期や長期で見たい場合には、向きません。

社会の共通ルールで作られるため、自社の独自な事情が盛り込めません。

あくまで過去の情報であり、将来に向けての予想・判断には向きません。

 

といった不十分な点があります。

これらの点を補うため、それぞれの会社が自社の経営方針、独自性、その時々のニーズに合わせて行う会計を、管理会計と言います。いわば、マネジメントの道具です。

 

会計管理の手法は様々ですが、よく使われるものには、これらのものがあります。

 

 部門別、製品別管理

売上、費用を会計的に記録する際、属する部門や製品の情報を付加することと、どの部門や製品にも属さない間接費を振り分けることで、部門別や製品別の損益状況を管理する。

 

 財務分析

業績数値を様々な指標にあてはめる事で、自社の状況を把握し、経営判断に役立てる。

収益性分析(売上高営業利益率、売上高総利益率(粗利率) など)

安全性分析(自己資本比率、流動比率 など)

成長性分析(売上高伸び率、売上高新製品比率 など)

 

 予算管理

年度、月、週などの期間毎の売上と利益、費用の予算を策定し、実績と対比し分析する。このことで、問題がある場合に早期に問題点を明らかにできる。なお、部門や製品毎に予算管理を行えば、問題をより具体化することができ、更には、それぞれの部門や製品の目標や責任が明確になることで、各担当者の主体的な動きを促すことが出来る。

 

 損益分岐点

費用を、売上に応じて発生する変動費と、売上に関わらず発生する固定費に分け、売上に対する変動費(変動費率)が一定だとした場合、いくら以上の売上高があれば固定費をまかない、黒字化出来るのかを、算出する。

計算式は、

損益分岐点売上  =  固定費  / (1-変動費率)

派生して、損益分岐点比率(現在の売上高に対して何パーセントの売上高を確保出来れば赤字にならないか)といった考え方で、安全性を確認するなど、様々な活用が出来る。

 

 標準原価計算

製品を製造する際の費用(原価)の、目標となる数値(標準原価)を設定しておき、実際に製造した際の原価と比較して、差異の原因を追究していく。

この手法の目的は、問題点を明らかにすることであるため、標準原価の設定が重要になる。

 

 設備投資評価

設備投資案の採否を決めたいとき、又は、複数の設備投資案から1つを選びたいときに使用する。投資利益法、回収期間法、正味現在価値法などが、多く用いられている。

 

 道具は、目的に合い、自分にとって使いやすいことが大切です。

 

マネジメントの道具である管理会計も、「自社が重視する目的に適っているか」「自社にとって使いやすいか」という着眼点で選択し、使いこなすことで、より良いマネジメントにつなげていきましょう。

 

 

 

中小企業診断士グループ Cの会

荒井剛志

 

 

 

 

 

関連情報

 

 

JRS経営情報(PDFサンプル)

 

 

 

 

情報番号

 

 

 決算書の見方から一歩進めた会計知識 ①管理会計

20160624

 

 

 財務会計と管理会計の違い

20160246

 

 

 管理会計を活用する

20071483

 

 

 他人のためと自分のため―財務会計と管理会計―

20170586

 

 

 会計知識をどう使えばいいのか?

20170628