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No.209 JRSメール配信サービス(2017.09.25)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

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メルマガ「管理会計シリーズ」も今回が4回目。

前回は「管理会計はマネジメントの道具です」というテーマで、その重要性について解説しましたが、その中でも最も基本的でかつ重要なものに「損益分岐点」分析があります。

今回は、その「損益分岐点」について、中小企業診断士グループ「Cの会」所属の磯山隆志氏により、解説していただきます。

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

 会計知識の充実 損益分岐点

 

 

 

 

1.損益分岐点分析の必要性

 

管理会計には様々な手法がある。その中でも最も基本的で重要なものの一つが損益分岐点分析である。

特に、新しい商品やサービスを計画する際には決して欠かすことのできない手法である。

「どれくらいの売上をあげて、費用がどれくらいであれば利益が出て採算がとれるようになるのか」または「目標とする利益をあげるには費用に対し、どれくらいの売上をあげればいいのか」など事業を始める際、利益計画を立案するためには、売上と費用の予測が必要になる。

損益分岐点分析は費用、販売数量、利益の関係を分析することにより、事業において採算がとれるような目標とすべき売上高や費用の予測を可能にする。

 

 

2.損益分岐点分析の概要

 

損益分岐点は総売上と総費用とが等しく、利益も損失も発生しない売上高の水準である。

ここで、分析のため、総費用を固定費と変動費に分ける。

固定費は売上や販売数量などとは関係なく発生する費用であり、人件費や賃借料などが例としてあげられる。

一方、変動費は売上などに関係して変動する費用であり、材料費や外注費などが例としてあげられる。

 

損益分岐点では、固定費に変動費を加えたものと総売上が等しくなる。

・総売上=固定費+変動費

売上高から変動費を差し引いたものを限界利益という。

したがって、損益分岐点は限界利益と固定費が等しい水準ともいえる。

・限界利益(総売上―変動費)= 固定費

これは限界利益が固定費を回収する原資であると同時に、固定費を限界利益が上回ることにより、利益が生じることをも意味している。

 

 

3.損益分岐点分析の例

 

例えば、新しい商品の利益計画を考えるとき、まず、限界利益と固定費を予測する。

1個あたりの限界利益がいくらになるか?市場調査や類似商品の取引履歴などを基にして計算する。

また、商品にかかる固定費がどれくらいになるかを計算する。

これらから損益分岐点売上高と目標とする利益を出すために必要な売上高を計算し、両者を比較する。

 

ここでレストランが新しいメニューの開発を考えているとする。

 

このメニューには機器の購入が必要で月額リース料が10万円(固定費)、材料費(変動費)は1個あたり500円で、販売価格は1,000円を想定している。

この場合、毎月5万円の利益を上げるためには、何個売ればよいであろうか?

 

限界利益を売上高で割ったものを限界利益率といい、損益分岐点売上高は、固定費÷限界利益率で求められる。

このメニューの限界利益は500円、限界利益率は50%になるため、損益分岐点売上高は、10万円を50%で割って20万円となる。

一方、目標とする利益を出すために必要な売上高は、(固定費+目標利益)÷限界利益率で求められるので、5万円の利益に必要な売上高は、(10万+5万)÷50%で30万円になる。

したがって、この新しいメニューは毎月300個販売する必要がある。

 

損益分岐点が妥当な(可能な)水準であるか、妥当でなければ限界利益が少ないのか固定費が大きいのかなど、その原因がどこにあるのかを調査する。

その結果から現状の利益計画を評価して、修正をおこない、また新しい計画を立案することを繰り返し、完成まで導く。

このように損益分岐点分析は利益計画の採算性を分析するのに有効な必須の手法である。

 

 

 

中小企業診断士グループ Cの会

磯山隆志

 

 

 

 

 

関連情報

 

 

JRS経営情報(PDFサンプル)

 

 

 

 

情報番号

 

 

 決算書の見方から一歩進めた会計知識 ②損益分岐点

20160625

 

 

 管理会計の各種手法1/部門別業績管理

20071484

 

 

 CVP分析

01020278

 

 

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20120405

 

 

 損益分岐点の特徴―変動費と固定費に分ける

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