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No.210 JRSメール配信サービス(2017.10.30)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

いつも、メルマガをご愛読いただき、有難うございます。

 

メルマガ「管理会計シリーズ」も今回が5回目で、最終回となりました。

前回は、管理会計の中でも最も基本的かつ重要な「損益分岐点分析」でしたが、今回は「会計」とはやや分野が異なりますが、売上管理、顧客管理や品質管理までマネジメントで幅広く応用出来る、「パレート分析」について、中小企業診断士グループ「Cの会」所属の杉野眞氏により、解説していただきます。

 

 

 

 管理で役立つパレートの法則とパレート分析

 

 

 

1 パレートの法則は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが統計分析によって導き出したもので、「社会全体の富の8割が2割の高額所得者のもとに集まり、残りの2割の富が8割の低所得者に配分されている」という法則である。この法則(2:8の法則とも言う)は、富の分配の場面だけでなく、多くの場面で使用されている。

 

2 パレート分析は、ABC分析とも言われ、全体に占める構成要素の割合によって、何に重点を置くべきかを明確にして、重要度や優先度をどのくらいにしたら良いかを決定する手法である。

パレート分析を行うには、分析対象を売上や件数など構成要素の構成比率の多い(高い)順に並べた表を作成する。

全体に占める構成要素の割合によって、Aランク(080%)、Bランク(80%90%)、及びCランク(その他)にランク付けを行い、ランクにより管理方法を変更することで、少ない経営資源を有効に活用出来、業務効率を上げることが出来る。たとえば、次のように、4つの商品の売上合計が400万円の例で考えてみる。 

 

商品名

売  上

売上累計

比率累計

ランク

W

200万円

200万円

50.0%

A

X

120万円

320万円

80.0%

A

Y

40万円

360万円

90.0%

B

Z

40万円

400万円

100.0%

C

 

このケースでは、Aランクの商品が「WX」で、Bランクの商品が「Y」になり、Cランクの商品が「Z」になる。

 

3 パレート分析を用いた分析や管理方法を以下に示す。

 

(1)商品管理

商品の売上よりランク付けを行い、売れ筋(Aランク)や死に筋(Cランク)を分析し、商品管理方法を適正化する時に使用する。

例えば、売れ筋の商品は、陳列場所、面積、POP、広告など顧客にアピールする機会(露出度)を増やし、死に筋商品は、関連商品との連携、展示方法、展示場所の見直しなどを行い、販売数量のアップが可能かどうかを検討する。

 

(2)顧客管理

顧客を層別に分類し、Aランクの顧客(馴染み客など)へのサービス拡大策などを検討する。例えば、ポイント制度がある場合に、Aランクの顧客にはポイントの付与を多くするなど、購入頻度や購入金額によって特権(割引率、ポイントの付与など)を付加することで、購入金額のアップを狙う。

 

(3)品質管理(故障の8割は、2割の部品で発生)

重大な故障原因の上位2割に対応すると、全体の8割を改良したのと同等の結果が得られる。製造工程などで発生した不良の原因を不良数などでランク付けをし、Aランクのものから対策をとることで、全体の不良数を効率良く減少させることが出来る。

 

(4)在庫管理

在庫の金額、使用量などによりランク付けを行い、ランクにより発注方式や管理方法などを変更することにより、在庫管理費用の削減を行う。

 

4  注意事項

ランクによる対応策を機械的に行っていると、問題が出る場合があり、注意が必要である。

例えば、発売当初の新製品は、顧客の認識度が低くCランクになる場合がある。ランクごとの対応を機械的に行って、新製品をCランクの商品と判断して撤去すると、新製品が売れないままで終わってしまう。

このように、Cランクであっても新製品などは、売れる可能性を見極め戦略的な売り方が必要となる場合もあり、常に全体の動向を把握し戦略を持って対応していくことが欠かせない。

 

 

 

中小企業診断士グループ Cの会

杉野 眞

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

JRS経営情報(PDFサンプル)

 

 

 

 

情報番号

 

 

 決算書の見方から一歩進めた会計知識 ⑤パレート分析

20160628

 

 

 ABC分析による顧客管理方法

01020876

 

 

 実現への最も効果的な取り組みは制約条件を特定し解消すること

20100389

 

 

 生産現場の問題を解決する方法

20100562

 

 

 キャッシュフローの改善2/棚卸資産の回転スピードを上げる

20090812