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No.212 JRSメール配信サービス(2017.12.21)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

いつも、メルマガをご愛読いただき、有難うございます。

 

今回は、「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」シリーズの第2回目です。

 

前回は「IoT時代がやってきた」というテーマで、IoTの持つ可能性について述べましたが、今回は20173月政府が発表した"Connected Industries"~我が国産業が目指す姿(コンセプト)~、いわゆる「コネクテッドインダストリーズ」の内容を中心に、中小企業はIoTをどのように取り組んでいけば良いか?、「中小企業のIoT取り組みの道筋」と題して、中小企業診断士グループ「Cの会」所属の後藤晶冶氏により、解説していただきます。

 

 

 

 中小企業のIoT取り組みへの道筋

 

 

 

先日、自動車部品を製造する中小企業を訪問した際、「取引先からリアルタイムでの生産管理を求められており、工程の作業状況を把握するためにIoTを活用したい」という相談があった。時代の大きな流れの中で、中小企業にも確実にIoT化の波が押し寄せている。

こうした流れは大手企業から進んでいるが、今後は徐々に中小企業にも迫ってくると思われる。政府としても、20173月「コネクテッドインダストリーズ」を発表し、国内のこうした動きを全面的に支援する取り組みを始めている。

 

(1)コネクテッドインダストリーズ

 

「コネクテッドインダストリーズ」とは、経済産業省のHPによると、「様々なつながりにより新たな付加価値が創出される産業社会」のことである。

そのつながりには、例えば、「モノとモノがつながる」「人と機械・システムが協働・共創する」「人と技術がつながり、人の知恵・創意を更に引き出す」などが挙げられている。

我が国の強みである、現場の知見に裏付けられた臨機応変な課題解決力、継続的なカイゼン活動などを活かして、人間本位の産業社会を創り上げることが、コネクテッドインダストリーズの目的である。

コネクテッドインダストリーズの実現に向けては、データの「活用と連携」がポイントになる。IoTによりデータを収集し、そのデータを活用し生産性向上につなげる。そして、AIの活用により新たな価値を創出、さらにはクラウドの利用により企業間連携を実現していく。

ただし、これらを実現するためには多くの課題がある。例えば、ものづくりのデジタル化を推進する「スマートものづくり」、データ活用ができる「IT人材の育成」、IoTやクラウドを安心して利用するための「サイバーセキュリティ」などである。

 

(2)中小企業におけるIoT活用の方向性

 

中小製造業においては、「スマートものづくり」が取り組むべき課題の第一歩である。しかしながら、IoTのみならずITの活用も進んでいない企業も多くある中、その実現は容易でないと感じている読者も多いことだろう。

そのような中でも、企業が抱える課題を洗い出し、地についた施策を段階的に進めていくことで、確実に道は開けると筆者は信じている。

そのために「ITやIoTをどういう方向で活用していくのか」という道筋を考えることが重要である。来たるべき未来を見据えた道筋である。

筆者は「ものづくりのデジタル化」「共同受注」「マス・カスタマイゼーション」が、そのひとつの方向と考える。

 

 ものづくりのデジタル化

ものづくりのデジタル化を図るには、自社のものづくり現場、すわなち「生産状況の見える化」が取り組みの第一歩となる。そのために、IoTを活用して、設備の稼働状況や人の作業記録をデータ化し、生産性の向上に活かす。デジタル化は競争力強化の源泉であり、「共同受注」、「マス・カスタマイゼーション」といった、新たな価値を生み出すためのすべての基盤となる。

 

 共同受注

「共同受注」とは下請けではなく、複数の中小企業が水平統合して、一つの元請けとして機能する取り組みである。それぞれの企業の強みを生かし、共同で受注することで、営業力・提案力を高める。そのために、ITIoTを活用して企業間の連携のしくみを作る。つながる相手は製造業だけにとどまらず、商社等も巻き込んで販路を開拓していくも必要である。

 

 マス・カスタマイゼーション

「マス・カスタマイゼーション」とは、「マスプロダクション(大量生産)」と顧客の要望に応じて仕様変更を行う「カスタマイゼーション(受注生産)」を掛け合わせた言葉で、「顧客の要望に応じながら大量生産を可能にする生産方式」である。ほとんどのオーダーメイド製品を、量産と同程度のコストで製造することができる。独創性のある製品開発も可能なので、下請け構造から脱却でき、価格競争にも巻き込まれないで済むメリットがある。

 

(3)生き残りをかけた取り組み

 

コネクテッドインダストリーズの波は、中小企業にとっても大きなチャンスである。真剣に取り組んでいる企業は必ず生き残れる。それどころか、必ず発展できると確信している。

「課題はあるが、ここを逃がせばもう後はない」という厳しい時代になってきた。乗り遅れることなく、このチャンスを掴んでいきたいものである。

 

 

 

 

中小企業診断士グループ Cの会

後藤晶冶

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

JRS経営情報(PDFサンプル)

 

 

 

 

情報番号

 

 

 中小企業のIT・IoT活用の課題

20170753

 

 

 IT・IoT活用の動向

20170752

 

 

 IT・IoT活用事例①業務効率化

20170754

 

 

 IT・IoT活用事例②競争力強化

20170755

 

 

 IoTのセキュリティ対策

20160605