JRSメールマガジン(無料サービス) バックナンバー

No.213 JRSメール配信サービス(2018.01.29)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

いつも、メルマガをご愛読いただき、有難うございます。

 

IoTInternet of Things:モノのインターネット)」シリーズ、第1回目が「IoT時代がやってきた」というテーマでIoTが広がりをみせつつあること、第2回目は「中小企業のIoT取り組みの道筋」というテーマでいわゆる「コネクテッドインダストリーズ」の内容を中心に連載してきました。

そして最終回の今回は「中小企業のIoT活用の現状と課題」というテーマで、IoTの活用事例や導入状況、そして課題解決のための取り組み等について、前回に引き続き、中小企業診断士グループ「Cの会」所属の後藤昌冶氏により、解説していただきます。

 

 

 

 中小企業のIoT活用の現状と課題

 

 

 

ものづくりのデジタル化には「生産状況の見える化」が取り組みの第一歩だ。IoTを活用して、設備の稼働状況や人の作業記録をデータ化する。そして、そのデータを生産性の向上に活かす。デジタル化は競争力強化の源泉であり、新たな価値を生み出すための基盤となる。

 

(1)IoT活用の事例

金属熱処理を専業にしている長野県のある会社では、熱処理炉にセンサーおよび運転制御のしくみを付加してIoT化を図った。スマートフォンで熱処理炉の稼働状況の監視や緊急時の運転停止が可能となり、管理者が夜間や休日に工場へ出向く必要がなくなった。作業の効率化と従業員の働き方の両面で効果が得られたことが、大きな収穫であった。

神戸市では、航空機部品を製造する中小企業をIoTで連携する「つながる工場」化を目指した取り組みが始まっている。複数の企業の工場をネットワークでつなぎ情報を共有することにより、あたかも1つの製造ラインであるかのように進捗管理や品質管理を行い、工程全体として納期短縮を狙っている。このような仕組みの構築には各企業の協力が欠かせないが、自社の生産稼働情報を他社に公開することに抵抗のある企業も多い。そのため初年度は、参加企業において、IoTを使ってどんなデータを見える化出来るか検証するところから始めた。これまで可視化出来なかったものを数値化することで、具体的なメリットが見えてくれば、IoTを活用する企業が増え、ゆくゆくは多くの企業が連携出来ると期待している。

 

(2)IoTの導入状況

民間調査会社の「IoT導入状況調査」(201611月、国内企業9,242社)によると、IoTを「導入している企業」は12.0%、「導入を検討している企業」は23.9%であった。前年の調査結果より、それぞれ1.1ポイント、4.6ポイント増加した。導入企業の業種割合は「製造業」が40.6%と最も多く、次いで「情報通信業」が13.1%、「サービス業」が9.3%だった。

また、横浜市経済局の「IoT に関連する技術・サービスの導入に関する実態調査」(20169月、横浜市内企業1,000社)によると、 IoTを「業務や製品サービスに活用している」企業は14.0%、「業務や製品サービスに活用予定がある」は 7.5%であった。両者をあわせると 21.5%5 社に1社程度が「IoTを活用または活用予定がある」という結果だった。

これらの結果いずれからも、IoT活用は徐々に裾野を拡げてきていることが見てとれる。

 

(3) IoT活用の課題

しかしながら、IoTの活用にはまだ課題は多い。先の横浜市経済局の調査によると、IoTを活用する際の課題として、「IoTを活用した業務を行う人材の確保または育成」が 65.2%で最も多かった。次いで「IoTを業務や製品・サービスに活用するノウハウ を得ること」(64.3%)、「自社のIoTのセキュリティを確保すること」(56.5%)が挙げられている(複数回答)。

企業規模別に見ると、大企業と中堅企業では「IoTを業務や製品・サービスに活用するノウハウを得ること」 が、それぞれ 81.8%62.1%で最も多い。中小企業では「IoT を活用した業務を行う人材の確保または育成」 が 71.4%と最も多く、人材面での課題の大きさがうかがえる。

 

(4)課題解決の取り組み

人材面の課題解決の取り組みのひとつとして、「スマートものづくり応援隊事業」がある。中小企業としては、IoTITに関する技術の説明よりも、業務をどう改善するか、その際、技術をどう活用すればよいかのアドバイスが欲しい。

このような相談をできるのが「スマートものづくり応援隊」である。「伴走型」で中小企業に専門人材を派遣し、中小企業の課題に応じた改善策や技術のアドバイスを行っている。全国に25の拠点(平成29年度)があり、筆者もメンバーのひとりとして活動中である。

その他、地方版IoT推進ラボ(https://iotlab.jp/local/)が設置されている地域では、ハンズオンやワークショップを含む実践的なIoT講座も開催されている。また、経済産業省では「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」を創設した。 AIIoT、データサイエンス、クラウド、高度なセキュリティやネットワークなどの専門的・実践的な教育訓練講座を経済産業大臣が認定する。平成304月以降に開講する社会人向けの講座が対象であり、今後の人材育成の取り組みとして大いに期待できる。 

 

 

 

中小企業診断士グループ Cの会

後藤昌冶

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

JRS経営情報(PDFサンプル)

 

 

 

 

情報番号

 

 

 IoT時代がやってくる

20160600

 

 

 中小企業のIT・IoT活用の課題

20170753

 

 

 IT・IoT活用の動向

20170752

 

 

 IT・IoT活用事例①業務効率化

20170754

 

 

 IT・IoT活用事例②競争力強化

20170755

 

 

 IoTのセキュリティ対策

20160605