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No.214 JRSメール配信サービス(2018.02.26)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

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日本における外国人労働者は、少子高齢化に加え、労働力不足も相俟って、年々増加しており、平成2910月末現在、約128万人(前年同期比で195千人(18.0%)増加))と、過去最高を記録しました。

一方で、「不法滞在者」による不法就労などが指摘され、また雇い主側である事業主などへは「不法滞在助長罪」が規定され、厳しい罰則が適用されます。

昨年11月、人気の豚骨ラーメン店「一蘭」が、外国人の就労を厚生労働大臣(ハローワーク)に届けていなかった「雇用対策法違反容疑」で大阪府警から家宅捜査を受けました。働く資格のないベトナム女性を雇用し、雇用の事実をハローワークに届けなかったというものです。外国人を雇用する際は、事業主には「外国人雇用状況」の届け出をする必要があります。

今般は、2回にわたり「外国人アルバイト等を雇用する場合の留意点」というテーマで、第1回目は「現在の外国人の雇用状況」も含め、NPO 真・食の安全・安心支援機構 所属の中小企業診断士田中浩二氏に、解説していただきます。

 

 

 

 外国人アルバイト等を雇用する場合の留意点(前編)

 

 

 

1 外国人の雇用状況

 

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況(平成2910月末現在)(※)によれば、外国人労働者数は1,278,670人で、前年同期期比194,901人、18.0%の増加、また雇用している事業所数は194,595か所で前年同期比21,797か所、12.6%の増加で、平成19年に届出が義務化されて以来、労働者数・事業所数ともに、過去最高を更新しています。

同報告によれば、増加した要因として、「現在政府が進めている高度外国人材や留学生の受入が進んできていること、加え、雇用情勢の改善が確実に進んでいることが考えられる」と説明しています。

(※)外国人雇用状況の届出制度は、雇用対策法に基づき、すべての事業主に外国人労働者の雇入れ・離職時に、氏名、在留資格、在留期間などを確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)に届け出ることを義務付けています。

国籍別には、中国が最も多く372,263人(外国人労働者全体の29.1%)。次いでベトナム240,259人(同18.8%)、フィリピン146,798人(同11.5%)、ブラジル117,299人(同9.2%)、G7/8+オーストラリア+ニュージーランド73,636人(同5.8%)、ネパール69,111人(同5.4%)となっています。

在留資格別にみると、「身分に基づく在留資格(永住者や永住者を配偶者に持つ人)」が459,132人(全体の35.9%)、「資格外活動(留学等)」が259,604人(同20.3%)、「技能実習」が257,788人(同20.2%)、「専門的・技術的分野」の在留資格者が238,412人(同18.6%)となっています。

外国人労働者を雇用する事業所の業種別には、「製造業」が43,293か所22.2%を占め、次いで「卸・小売業」が33,229か所(17.1%)、「宿泊業・飲食サービス業」が27,779か所(14.3%)です。なお、「製造業」の事業所に占める割合は前年と比べ減少しています。

 

2 外国人を雇用する上での注意事項

 

(1)不法就労外国人雇用に対する罰則

外国人を雇用するにあたって、不法就労にならないように十分に注意する必要があります。「入国管理法73条の2 不法就労助長罪」で定められていますが、①事業活動に関し外国人に不法就労活動させた者、②外国人に不法就労活動させるためにこれを自分の支配下に置いた者、③事実として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は行為に関しあっせんした者を処罰の対象としており、「3年以下の懲役または300万円以下の罰金またはその併科」の規定があります。

不法就労外国人を雇用した事業主が、不法就労にあたることを知らなかった場合でも、過失がない場合を除き処罰を免れません。企業は採用した外国人が不法就労であることがわかった場合に、それを理由として解雇しても解雇権の濫用にはあたらないと一般的には考えられています。

採用面接の際には必ず「在留カード」の実物で、「在留資格」、「在留期間」、「在留期限」を確認することが必須です。

在留資格を持っていたとしても、就労できる職務内容や業務の範囲が決められており、不法就労とならないように、「在留カード」でしっかりと確認してください。

 

(2)労働契約の締結

外国人を雇用するときには、「雇用対策法」で外国人と文書で雇用契約を締結することが規定されています。

契約期間は3年以内とし、契約書では、次の5点を明示する必要があります。

①契約期間、②就業の場所・従事すべき業務、③始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間・休日・休暇、④賃金、賃金の計算及び支払い方法、賃金の締切日、支払いの時期、昇給に関する事項、⑤退職に関する事項

 

(3)均等待遇 

国籍によって労働条件を差別することは、労働基準法で禁止されています。外国人を採用した時も日本人と均等に扱うことが必要です。

 

(4)時間管理

「資格外活動」の許可時間には制限がありますので、雇用主は労働時間管理について、十分に管理する必要があります。

留学生が、夏期等の休暇以外の時に、学校に行かずに特定の企業においてフルタイムで働いている場合は、「1週間に28時間以内(夏期、冬期および春期休暇中は、1日8時間以内)」という時間制限を超えるので、不法就労に該当します。「家族滞在」の外国人がフルタイムで働く場合も同様です。

 

(5)外国人雇用状況届 

アルバイト社員でも「外国人雇用状況」について、氏名・在留資格・在留期間・資格外活動許可の有無など必要事項を記載の上、ハローワークに届けることが必要です。

 

(6)外国人労働者名簿の作成

日本人よりも多くの管理項目があります。外国人本人のパスポートの記載事項や在留カードの記載事項をもとに、外国人労働者名簿を作成することが必要です。

なお、実際に採用する場合、疑問点があれば必ず入国管理局、行政書士、社会保険労務士など専門家に相談するように心がけてください。

 

 

 

NPO 真・食の安全・安心支援機構

中小企業診断士 田中浩二

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

JRS経営情報(PDFサンプル)

 

 

 

 

情報番号

 

 

 外国人労働者を雇用する際確認しておくべきこと

20062271

 

 

 新たな在留管理制度が導入される(24年7月施行)

20100317

 

 

 外国人雇用に関する法的規制と雇用する際確認すべき書類

01041821

 

 

 外国人労働者の不法就労を理由に解雇できるか

20062276