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No.216 JRSメール配信サービス(2018.04.23)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

いつも、メルマガをご愛読いただき、有難うございます。

 

最近、「働き方改革関連法案」の審議の報道などで、よく「働き方改革」という言葉を耳にします。「働き方改革」については、政府が、日本経済再生に向けて、最大のチャレンジであるとして、総理を議長とする働き方改革実現会議によって、平成29328日に「働き方改革実行計画」を決定しています。

その背景には、少子高齢化による生産年齢人口の減少、長時間労働問題、他の先進国に比べ低い労働生産性などがあります。日本経済再生にとって重要なテーマであるうえ、企業経営者の皆さんだけでなく、働く国民一人一人に関係する改革です。

そこで今般は、今月から5回にわたり「働き方改革」をテーマとしたメルマガをお送りしたいと思います。第1回目は導入として「働き方改革とは何か、その必要性とは」というテーマで、イー・マネージ・コンサルティング協同組合所属の中小企業診断士倉持俊雄氏に、解説していただきます。

 

 

 

 働き方改革とは何か、その必要性とは・・・・

 

 

 

「働き方改革」の必要性を考える上で、大きな背景となっているのが、「少子高齢化」である。「少子高齢化」は、小学校の統廃合や団塊世代の大量定年退職もあり、実感できる。そうした「少子高齢化」に伴う様々な問題に対応するために、「働き方改革」が急務なのである。

年をとれば、多くは働き手の立場を卒業し、主として年金で生計を立てることになる。年をとると、体に不調な箇所が出て来て医者にかかることが多くなる。そのため、「高齢化」が進めば、年金や医療費等の国の財政負担が増えることになる。一方で「少子化」であるから、年金を支える働き手が減ることになる。既に、年金を受け取る人と働き手として年金を支える人との割合は11.21.4であるとの試算もある。しかも、国債を含む"国の借金"は、20179月時点で1,080兆円で、名目国内総生産の2倍強に匹敵している。例えてみると、国民1人あたり800万円以上借金を抱えていることになる。このまま、産まれる子供が少なく高齢者ばかり増えるとすれば、早晩、年金や医療費に対する我が国の財政負担が限界に達することは確かである。

そこで、その解決策として考えられたのが、「働き方改革」である。

「働き方改革」の第一は、働き手を増やすために、多様な働き方を許容することである。年をとっても元気な人は多い。また、女性の一層の社会進出を働きかけることも考えられる。ただ、高齢者は自身の体力面や老いた両親の介護等のためにフルタイムで働くことは難しい。女性も子育てや家事等がありフルタイムは難しい。そこで、仕事と家事や介護との両立が可能な短時間勤務や在宅勤務等の多様な働き方を可能とすれば、高齢者や女性の就業が促され働き手が増えるだろう。

第二は、長時間労働の是正である。長時間労働が是正されなければ、育児や家事、介護などと仕事との両立ができず、これまで労働市場に参加できなかった女性の社会進出を後押しすることは難しい。また、配偶者や自分自身の長時間労働は出産や育児を困難にしており、少子化の一因となっている。少子化に歯止めをかけるためにも、長時間労働の是正が求められる。

第三は労働生産性の引き上げである。一般的に、仕事の成果の量は、単位時間あたりの成果の量に仕事をした時間を乗じることにより算出される。従って、短時間労働や時間外の上限規制等により、働く時間が減ると、成果の量が減少する可能性が高い。成果の量が減るとすれば、激しさを増すグローバルな競争に伍していけないであろう。その場合、日本経済の持続的成長は難しく、年金や医療費の財政負担が限界に達することは避けられない。従って、単位時間あたりの成果の量、即ち労働生産性を引き上げる必要がある。そもそも、日本の労働生産性は、欧米と比べて高くはない。OECD(経済協力開発機構)が発表する就業者1人当たり労働生産性指標(=就業者1人当たり名目付加価値)を見ると、日本は2016年に81,777ドルで、加盟35ヶ国のうち21番目となっている。同様に、それを時間当たりに換算した就業1時間当たり名目付加価値も46.0ドルで、米国の3分の2の水準に止まっている。労働生産性が低い一因としては、いわゆる失われた20年による企業の設備投資の停滞、ICT導入の遅れ、過剰品質の作り込み、等が挙げられる。こうした労働生産性低下要因の除去、改善を図ることが急務である。

第四は非正規雇用の正規化である。日本は欧州諸国と比べ、正社員と非正規雇用者の待遇格差が大きい。そのため、我が国企業は安易に非正規雇用に頼りがちで、雇用者の約4割が非正規雇用者である(2015年)。非正規雇用者の労働生産性は、能力開発機会が少ないことなどから低い。雇用者の約4割を占める非正規雇用者の低い労働生産性は、我が国全体の労働生産性を低下させる一因となっている。非正規雇用者の時間あたりの賃金は、労働生産性が低いこともあり正規雇用者の6割程度である。こうした非正規雇用者の賃金の低さは、結婚や子育てを難しくし少子化の一因となっている。そこで、政府は、非正規雇用の処遇改善を促すために同一労働同一賃金とする方針としている。

日本経済の持続的成長を可能とし、我々の子供たちのための明るい未来を切り開くために、「働き方改革」が必要なのである。

 

 

 

イー・マネージ・コンサルティング協同組合所属

中小企業診断士 倉持 俊雄

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

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情報番号

 

 

 働き方改革①働き方改革が始まっている

20170759

 

 

 働き方改革②働き方改革の身近な事例

20170760

 

 

 働き方改革③ダイバーシティ2.0のポイント

20170761

 

 

 働き方改革④実行のマネジメント

20170762