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No.217 JRSメール配信サービス(2018.05.28)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

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今回は、「働き方改革」シリーズ2回目です。

「中小企業は「働き方改革」に対して、どのように対処すれば良いか」と題して、「働き方改革」が中小企業に及ぼす影響とその対応策について、引き続き、イー・マネージ・コンサルティング協同組合所属の中小企業診断士倉持俊雄氏に、解説していただきます。

 

 

 

 中小企業は「働き方改革」に対し、どのように対処すれば良いか

 

 

 

「働き方改革」関連法案の柱である「長時間労働の是正」、「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」実現のため、時間外労働の上限規制、同一労働同一賃金といった対応策が実施される。中小企業については施行期日を遅らせ、「長時間労働の是正」は20204月、「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」は20214月とする方針としている。

ここでは、時間外労働の上限規制と同一労働同一賃金が中小企業に及ぼす影響とその対処法を見てみたい。

 

1.時間外労働の上限規制

中小企業にとって時間外労働の削減は、"受注高や売上の減少"、"納期遅延"に繋がる可能性がある。それを避けるために人員を増やせば人件費増となり経営が困難となりかねない。しかしながら、時間外労働の上限規制の実施に伴い中小企業には以下のような影響が予想され、時間外労働の削減を目指す必要がある。

 

① 長時間労働については、罰則規定の適用がなされること

② 猶予されていた中小企業に対する時間外の賃金割り増しの猶予期間が切れること

③ 労働基準監督署の時間外労働についての監督指導の厳格化が見込まれること

④ ブラック企業等の風評が立てば、採用や取引関係に悪影響を及ぼしかねないこと

⑤ 少子化高齢化に伴う働き手の減少がすすむことから、人の採用が難しくなる可能性があること

⑥ 非正規雇用者に対しても同一労働同一賃金が適用されるため、安易に非正規雇用者に頼ることは難しくなること

 

それでは、時間外労働の上限規制に対して、中小企業はどのように対応すべきであろうか。

まず取り組むべきは、非効率業務・事務の見直し、削減といった業務の効率化である。具体的には、会議の効率化、報告レポートや作成資料の簡素化、使用頻度の高い伝票や帳票の定型化・共用・電子化等である。そうしたことに加えて、例えば、営業であれば、出先からのノート型パソコンやタブレット端末を使用して報告することによる直行直帰、共有化した表計算ソフトの定型フォ-マットへの簡便入力による進捗報告などが考えられる。製造現場であれば、5Sの徹底、多能工化、不良品発生工程見直しによる再作製回避、表計算ソフトの工程管理表による進捗状況の確認等を検討する必要がある。

 

近時は、小規模企業でも十分に使いこなすことが可能で価格も比較的安価なクラウドベースやパソコンパッケージソフト等のITツールが出回っている。そうしたITツールによれば、経理、営業、製造現場の効率化、時間外労働削減、生産性向上が可能となる。中小企業は、ITを導入活用することにより一層の効率化、生産性向上を図るべきである。

 

2.同一労働同一賃金

20214月からは、同一労働同一賃金が中小企業にも適用されることから、中小企業においても、同じ仕事をしている人には原則同じ賃金を支払う必要が出てくる。これまで非正規社員にボーナスや手当を支払っていなかった企業は賃金体系を見直さなければならない。正社員と非正規社員との賃金格差が残る場合は、企業に説明義務が生じる。中小企業は大企業と比べて人事や労務管理の担当者が少なく、中小企業にとって賃金体系や規定の見直し等の対応は、容易ではない上、総人件費が膨らむ恐れもある。

そこで、総人件費の増加抑制を図りつつ賃金格差の説明義務を果たすため、正社員と非正規社員の仕事の区分の明確化が必要となる。正社員とは別個の雇用形態である、①地域限定正社員(異動に転勤を伴わない)、②職務限定正社員(仕事内容が限定される)、③勤務時間限定正社員(所定の労働時間を超えない)の位置付け等を含む賃金や評価に係る社内規定の整備が求められる。

 

中小企業にとっては、知識・スキル、人員、資金余裕等が十分ではないことが、「働き方改革」に備えるに上でネックとなる可能性がある。そうした場合は、各地域に設けられているよろず支援拠点等の各種の相談窓口、ミラサポ等の専門家派遣などを利用すれば良い。いずれも無料である。国や地方自治体の各種補助金・助成金について相談・支援を受けることも可能である。

 

 

 

イー・マネージ・コンサルティング協同組合所属

中小企業診断士 倉持 俊雄

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

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情報番号

 

 

 働き方改革①働き方改革が始まっている

20170759

 

 

 働き方改革②働き方改革の身近な事例

20170760

 

 

 働き方改革③ダイバーシティ2.0のポイント

20170761

 

 

 働き方改革④実行のマネジメント

20170762

 

 

 時間外上限規制の中小企業への影響と対策

20170731

 

 

 働き方改革と女性活躍の推進

20170795