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No.218 JRSメール配信サービス(2018.06.25)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

 「時間外労働の上限規制」の概要について

 

 

 

働き方改革の一環としての「時間外労働の上限規制」の法案施行が2019年4月に予定されている。中小企業に適用されるのは2020年4月の予定で、中小企業にとって残された期間は2年を切っており、対応を急ぐ必要がある。そこで、「時間外労働の上限規制」の概要について見てみることとしたい。

 

現在においては、1日8時間、1週間で40時間を超えて労働させることは労働基準法で禁止されている。しかし36協定を結べば、そこで定めた時間まで時間外労働をさせることが可能なため、残業時間の上限は実質的には無いものとなっている。

 

一方、2019年4月(中小企業は2020年4月)以降においては、罰則による強制力を持たせるとともに、従来、臨時的な特別の事情がある場合として労使が合意した場合は、上限無く時間外労働が可能であったが、これについても上回ることのできない上限を設定するものとされている。

具体的には、時間外労働の限度を、原則として月45時間、かつ年360時間とする。臨時的な特別の事情がある場合として、労使が合意して協定を結ぶ場合においても、時間外労働時間は年720時間を上回ることができない。

720時間の範囲内において、一時的に事務量が増加する場合についても、以下の上限を設けることが定められた。

①2か月、3か月、4か月、5か月、6か月の平均で、いずれにおいても、休日労働を含んで80時間以内

②単月では、休日労働を含んで100時間未満

③原則を上回る特例の適用は、年6回を上限

 

中小企業にとっては、業種や職務にもよるであろうが、例えば、「原則は月45時間、それを超えるのは年6回まで」のハードルが高いかもしれない。45時間は、月22日働くとすると1日平均2時間の計算となる。従って、定時が夕方5時半の会社なら、どんなに忙しい部署のどんなに忙しい人でも7時半には原則帰社しなければならない。"残業は2時間まで"を、全社員について常態化するのは容易ではないであろう。

また、プロジェクトのピーク時や決算期、あるいは何らかの問題が発生した場合等においての「①2か月、3か月、4か月、5か月、6か月の平均で、いずれにおいても、休日労働を含んで80時間以内」の規定遵守も、状況においては、難しい可能性がある。

とは言え、罰則規定もあることから、中小企業は、残された期間内での体質改善を急ぐ必要がある。 

次回のメルマガでは、時間外労働削減に向けた対応策について触れてみたい。

 

 

 

イー・マネージ・コンサルティング協同組合所属

中小企業診断士 倉持 俊雄

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

JRS経営情報(PDFサンプル)

 

 

 

 

情報番号

 

 

 時間外上限規制の中小企業への影響と対策

20170731

 

 

 働き方改革①働き方改革が始まっている

20170759

 

 

 働き方改革②働き方改革の身近な事例

20170760

 

 

 働き方改革③ダイバーシティ2.0のポイント

20170761

 

 

 働き方改革④実行のマネジメント

20170762

 

 

 働き方改革と女性活躍の推進

20170795