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No.220 JRSメール配信サービス(2018.08.27)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

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今回のメルマガのテーマは、「深刻化する人手不足の状況とその打開策について」です。厚生労働省が発表した6月の有効求人倍率は1.62倍と19741月以来44年振りの高い水準となっており、人手不足は深刻化しています。各企業は、事業を継続するために何らかの対応を求められており、既に様々な取組がなされています。

そこで、今回のメルマガでは、人手不足に悩む企業が行っている取組などについて、イー・マネージ・コンサルティング協同組合所属の中小企業診断士山辺俊夫氏に、解説していただきます。

 

 

 

 

 深刻化する人手不足の状況とその打開策について

 

 

 

我が国の人手不足は、ますます深刻さの度合いを深めている。自動車などの生産がけん引する製造業や、建設業、医療・介護関係の企業からの求人が増えた結果、有効求職者数に対する有効求人数の比率を示す有効求人倍率(季節調整値)は本年6月に、前月から0.02ポイント上昇し、1.62倍に達した。有効求人倍率が1.64倍を示した昭和49年(1974年)1月以来の高水準が継続しているのである。

これに伴い、国が最低賃金法に基づき賃金の最低限度を定める最低賃金も上昇している。厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会は最低賃金の目安となる時給を全国平均で26円引き上げることを決めた。この結果、本年10月には、全国平均が874円となる見込みである。都市部で働くパートやアルバイトの平均時給も高騰を続けている。

人件費の増加は、企業の経営を圧迫する要因となっている。その結果、採算性が悪化したり、店員が集まらなかったりした店舗の閉店や、最悪の場合には企業の倒産に至る場合もある。

そのため、企業には、抜本的な対策が必要となっている。

人手が確保できないことをきっかけとし、一部の企業では、売上を犠牲にしてまでも、効率や従業員満足などを優先し、業務量を制限する動きもある。たとえば、大手の小売業やサービス業などでは、営業時間の短縮を図っている。特に、従来、24時間営業を看板にしてきた大手コンビニチェーンでも、一部の企業で24時間の営業を見直す動きも進められている。また、宅配業などのサービス業でも、取扱件数の制限を表明する企業もあった。

宅配業者などの人手不足は、製造業の物流にも影響をもたらした。輸送コストの高騰を招きかねない物流問題を解決するには、1社単独では難しい。そこで、この問題を業界全体の問題ととらえ、中核事業では競争を続けるものの、非競争分野である配送は、共同物流とする動きが活発化している。このような共同物流では、各社でバラバラになっている段ボールの寸法などを統一できれば、一層の物流効率化が期待できる。

 

設備投資により、省人化を進める小売業やサービス業も多い。なかでも、会計時間の短縮化を図るため、および、店員の仕事量削減のために、消費者が自分で会計するセルフレジを導入する小売店の動きが顕著となっている。また、製造業では導入が進んでいるロボットは、ホテル業などのサービス業にも導入が検討されている。さらに、ソフトロボットともいわれるRPARobotic Process Automation)が注目を浴びている。このソフトウェアにより、企業内で反復して行われる定型的事務作業が自動化できる。

 

店舗での販売員など面談が必要な業務や製造現場で働くなどの必要性がなければ、会社に出勤しなくても、自宅や出先の作業拠点などからIT技術を活用して、場所や時間にとらわれずに柔軟に働くテレワークの実施が可能となる。しかし、テレワークを導入している企業は現段階では多いとは言えない。平成24年(2012年)のロンドン五輪では、通勤の混雑緩和のために、テレワークの実施と定着が図られた。国内でも官民が協力をして、テレワークの推進活動が進められており、2020年の東京五輪に向けて、テレワークの普及が期待される。国や東京都も、テレワークを実施する企業の取組に要した経費を支援する補助金を公募している。

また、企業側の取り組みとして、従来の労働者層に加えて、外国人労働者や、女性、シニア層など、新たな労働者を自社に迎え入れる企業も多い。その中でも、従来は技能実習生などに限られていた外国人労働者の単純労働について、政府は、新たな在留資格を創設するなど外国人労働者の受け入れ拡大の方針を打ち出しており、今後の動向が注目される。

 

 

 

イー・マネージ・コンサルティング協同組合所属

中小企業診断士 山辺 俊夫

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

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情報番号

 

 

 深刻化する人手不足の状況とその打開策について

20170732

 

 

 ロボットの活躍①中小企業こそロボットが活用できる時代に

20170776

 

 

 テレワークの動向

20170726

 

 

 働き方改革③ダイバーシティ2.0のポイント

20170761

 

 

 働き方改革と女性活躍の推進

20170795