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No.221 JRSメール配信サービス(2018.09.25)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

いつも、メルマガをご愛読いただき、有難うございます。

 

普段から皆さんもよく利用されているコンビニエンスストア。東日本大震災を契機に災害時の社会インフラとしての認知度も高まり、今やなくてはならない存在となっています。

しかしながら、企業間競争は激しく、最近では、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社のシェアが高まり、伸び率は鈍化してきています。

そういった背景を受け、コンビニ各社は、レジ横で販売する食品類の充実やPB商品の投入など様々な戦略を打ち出しています。

そこで今般は、今月から4回にわたり「コンビニ経営を支える様々な戦術」をテーマとしたメルマガをお送りしたいと思います。第1回目は「場を提供するイートインスペース」というテーマで、NPO真・食の安全・安心支援機構所属の中小企業診断士 井上敬裕氏に、解説していただきます。

 

 

 

 

 場を提供するイートインスペース

 

 

 

 増えるイートインスペース

 「便利さ」を売るコンビニに「イートインスペース」は良く似合う。ちょっとした待ち時間コーヒーを飲みながら過ごしたい、出かけていて小腹がすいたけど、外で食べるのはちょっと気が引けるといった時、あなたもコンビニのイートインスペースを利用したことがあるのでは? 100円コーヒーを買うだけで、気軽に利用できることに、利便性を感じる人も多いのではないだろうか? イートインスペースがない時代では、カップラーメンをお湯だけ店内でいれて、店前に出て食べたり、パンを買って近くの公園のベンチで食べるしかなかったという人も少なくないだろう。

ここ2年ほどの間にイートインスペース(以後イートインと呼ぶ)のあるコンビニをずいぶん見かけるようになった。もともとコンビニの中では、ミニストップだけが昔からイートインを備えていたが、ここ最近になってファミリーマートがイートインを備えた店舗を多く出店している。さらにファミリーマートのイートインの影響を受けてか、他のコンビニでもイートインを備えた新店舗を見るようになった。

 

 イートインに力を入れるファミリーマート

ファミリーマートはイートイン戦略に力を入れており、2017年度末までに6000店舗のイートインを目指している。イートインは顧客には好評のようだが、逆に商品売り場を狭めてしまうというデメリットもある。ファミリーマートの狙いは何だろうか?

ファミリーマートがイートイン戦略を開始したのは2013年、オフィス立地においては仕事合間の憩いの場、住宅立地では家族や友人との楽しい会話の場を提供することで、新しく快適なライフスタイルを顧客に楽しんでもらうというものだった。実際にイートインは地域のコミュニティスペースとして、高齢化、女性の社会進出や共働き・単身世帯の増加などが進む社会のニーズを十分捉えるものとなった。そして、人が集えば、それが集客になり、購買機会が増加するという理論だ。

ファミリーマートでは、スイーツやスナック、弁当などイートイン向けの商品開発にも力を入れている。その中でも大ヒットしたチルドラーメンは、イートインとの関連性についてはあまり触れられないが、間違いなくイートイン向けの商品だと言えるだろう。レンジで温めるだけで、本格ラーメンができるというその手軽さは、持ち帰りではなく、店内で食べて行ってこそ感じられるものだからである。またコンビニコーヒーはセブンイレブンが先駆けて導入した仕組みだが、コーヒーを持ち帰るのではなく、喫茶店のようにその場で飲んできたいというニーズに見事に答えている。

 

 飲食店とは違う?

イートインスペースには電源プラグが設置されている店舗もあり、WI-FIも使えるようになっている。したがって、100円コーヒーだけで1時間利用することも可能だが、椅子はソファではなく、テーブルはカウンターである。この構造はマクドナルドを連想させる。マクドナルドは飲食店なので気兼ねなく長居をすることができるが、イートインスペースはあくまでも店舗の一部分なので、気分的に長居をすることはできないようになっている。何でもできるが、居心地が中途半端と多くの人が感じるのではないだろうか?

 

 イートインに学ぶこと

ファミリーマートのイートインの成功例を見ていると、そこには「場の提供」と「利便性の提供」という二つの要素が、小売店舗という限られた空間の中で、その価値を最大限に発揮しようとコンパクトに一つにまとめられていることに気が付く。このことから「場の提供」と「利便性の提供」という2つの価値を提供するしくみを店舗の中に作っていくことが、顧客が来ないという悩みを持つ店舗ビジネスを成功させるひとつのカギと言えるのではないだろうか?

 

 消費税引き上げの影響は?

 201910月の消費税引き上げに伴い、同じコンビニの食品でもテイクアウトの場合は消費税8%、イートインの場合は消費税10%になるということが決まっている。そのため、イートインの利用が減るのではないかという心配も一部あるようだが、顧客の心理としては場所代と思えばそれほど気にならないのではないだろうか? テイクアウトのつもりがやっぱりイートインという顧客も多く想定されるため、大変さは顧客ではなく店員の方がはるかに大きいだろう。

 

 

 

NPO 真・食の安全・安心支援機構所属

中小企業診断士 井上敬裕

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

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情報番号

 

 

 コンビニエンスストア

02010104

 

 

 業績格差が広がるコンビニエンスストア

20130614

 

 

 コンビニの経営を支える様々な戦術

20170800

 

 

 儲けの鉄則4/賑わい感をつくる

20180193