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No.223 JRSメール配信サービス(2018.11.26)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

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今回は、「コンビニ経営を支える様々な戦術」シリーズ3回目です。

人手不足は、業種を問わず深刻な問題となっています。24時間営業しているコンビニは通常の小売店以上に人材確保が難しくなっていることが想定されます。求人難のため深夜営業の縮小や24時間営業を廃止するファミレスや外食チェーンも出ている中、コンビニではどのようにして人材を確保しているのでしょうか。

そこで今回は、「進化するコンビニの人材確保戦略」というテーマで、NPO真・食の安全・安心支援機構所属の中小企業診断士 井上敬裕氏に、解説していただきます。

 

 

 

 

 進化するコンビニの人材確保戦略

 

 

 

昨今の人手不足は、いずれの業界においても深刻だ。そんな中にあって、コンビニ店舗はいつも昼も夜も店員が働いており、人材不足を感じさせることなく普通に営業しているように見える。人手不足でファミレスや外食チェーンなどが営業時間を縮小する中、なぜコンビニは人手を確保して24時間営業を続けることができるのだろうか。

外から見ると人手が揃っているように見えるコンビニだが、実際にはコンビニ店長の一番の悩みは「人手不足と人材確保」である。どんなに商品が揃っていても店員がいなければ店を営業することはできない。また十分な数の店員を確保できなければ、少ない店員に過度の負担がかかり、経費の増大やストレスによる離職を招きかねない。そんなコンビニ店長の悩みを解決するため、コンビニ本部が中心となって新しい採用戦略に取り組んでいる。

 

 大きく変わるコンビニの採用方法

 

従来であれば、店員の採用は店長にだけ任された仕事であった。店長は人材募集広告会社との打ち合わせを行い、面接希望者の応対選考を行うという一連の仕事を一人で行わなければならなかった。採用したものの、すぐに辞めてしまう店員の補充も店長の仕事で、採用・退職に関係する仕事を一人で行うことはかなりのハード業務であった。そしてこのハード業務も、応募がある時代はまだ忙しさも忘れることができたが、広告を出しても応募がない時代になると、本来店長がやらなくてもいい仕事や他のスタッフの負担が増えるという希望のないハードさが大きな問題であった。

コンビニ業界が抱えるこの大きな問題に対して、ファミリーマートでは、各店舗に求人募集用の共通シートを配布し、求人募集を希望する店舗から本部に具体的な求人内容を書いた共通シートを出してもらうことにより、各店舗の求人情報を一括管理し、同社専門の求人サイトに求人募集の内容を掲載している。これにより、店長の求人広告に関する業務負担の軽減と求人広告費の削減を実現している。また業務や経費の負担削減だけではなく、求人情報を共有することによって、店舗の特性に合った求人対策を本部がアドバイスできる仕組みもできるようになった。

 

 IT技術によって進化する採用戦略

 

こうした求人募集の新たな仕組みは、IT技術の進歩によって生まれるべくして生まれたと言えるだろう。特に、IT技術の進歩によって生まれた人材募集アイテムとしてのマッチングサイトは、コンビニが開発した仕組みではなく、一般の求人サイトである。求職者はマッチングサイトに自分が働きたい場所や勤務時間を登録しておけば、自分の条件に合った求人情報を得ることができるというものだ。細切れの募集が多いコンビニにとっては、求人情報を条件にあった求職者にピンポイントで伝えることができるため、求人募集活動を助ける心強い味方と言える。

他の業界と同じように人材難にあえぐコンビニ業界だが、その健闘の背後には上記のような見えない取組みが存在している。これらの取組みのキーワードは「情報の共有」と「IT技術の積極活用」である。

 

 多方面からの解決策「外国人採用」

 

コンビニの取組みはIT活用だけにとどまらない。外国人の積極的採用にも力を入れており、大手3社では、既にスタッフの20人のうち1人は外国人となっている。特に力を入れているのがローソンで、人材育成の子会社『ローソンスタッフ』では外国人スタッフの研修を30時間行い、試験をクリアしたら現場に送り出す仕組みが定着している。ローソンと言えば外国人の店員というイメージの人も多いのではなかろうか。このような事実から、人手不足解消のためなら総力戦で挑むという姿勢がひしひしと伝わってくる。 コンビニの人材募集の取組みは、業界や規模が違っても学ぶべき点が多いと言えるだろう。

 

 

 

NPO 真・食の安全・安心支援機構所属

中小企業診断士 井上敬裕

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

JRS経営情報(PDFサンプル)

 

 

 

 

情報番号

 

 

 コンビニエンスストア

02010104

 

 

 業績格差が広がるコンビニエンスストア

20130614

 

 

 コンビニの経営を支える様々な戦術

20170800

 

 

 人手不足に対応するための中小小売業の人材確保・定着策

20100631

 

 

 深刻化する人手不足とその打開策について

20170732