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No.229 JRSメール配信サービス(2019.05.27)

JRSメール配信サービス発行事務局

 

 

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4月1日より、「働き方改革法案」が施行され、中小企業においても一部が実施されています。また、慢性的に続く人手不足の中、中小企業においては「新規雇用」も難しい状況が続いています。

今月号は、「新規学生採用シリーズ」というテーマの第2回目、「社内外の若手活用によるアピール力アップ」と題して、引き続き青森中央学院大学塩谷未知教授に、解説していただきます。塩谷先生の長年の教育経験から得られた、示唆に富む考え方が散りばめられています。

 

 

 

 

 社内外の若手活用によるアピール力アップ

 

 

 

 はじめに

自分たちの会社にはよいものがあるのに、残念ながらお客さんや学生に伝わらないと嘆く企業は多い。本当によいものがあるのか、などとツッコミを入れたくなる企業もないことはない。

へそ曲がりの偏屈な言い方は別にして、40年とは言い過ぎだが長年の経営コンサルティング活動を通じ、多くの企業と経営者に出会ってきた中で強く感じていることがある。10年、20年、30年と社歴を重ね、地域やお客さんと共生している企業に魅力がないわけはない。他社より少しでも抜きん出た魅力が無ければ、間違いなくその会社は現在生き残っていないからである。

 

 ベテランと若手の組み合わせがいい

ベテラン社員や幹部社員は、これまで生きてきた自分のことを否定できず会社を過大評価してしまいがち。一方、若手社員は自分の会社を過小評価することが多い。自分たちの魅力を再発見し、それを社内外に伝えるには若手社員とベテラン・幹部社員との組合せで検討を加えるのがオススメ。

まず、会社の魅力や強みを発見しそれを伝えるには、若手がベテラン社員や幹部社員、必要に応じ会社OBたちの自慢話や思い出話を収集することから始める。

さらに社外の若手や学生インターンシップと組み合わせて行うと、思いがけない再発見がある。学生インターンシップとの組み合わせで行うことについては、学生インターンシップ活用による採用力アップと重複するのでここでは触れない。

社外の若手とともに会社の魅力再発見とその伝える力アップによる、アピール力アップについて考えてゆきたい。

 

 社外の若手との相互刺激

外部の社員と合同チームを組成しお互いの会社を"見せっこ"する、これはとても魅力あるやり方だが現実には難しい。実際に行うには次のようなやり方がお薦めである。実際にやってみると地域の若手社員が育ち、自分の会社に自信を持つようになるから面白い。

地域や経済団体で研究会や勉強会を組成し、そこに数社の中小企業の若手が参加する。参加する社員は営業と技術など違う職種の組合せがいい(営業人は業務の性格上自社を肯定的に、技術者は否定的に見る傾向がある)。月に1度の研究会で自分の会社についての説明を行う。その説明は売り上げや製品説明というありきたりのものに加え、ベテラン・幹部社員の自慢話や思い出話を時系列で整理して伝えるのである。

 

自社の中では当たり前のことでも、他社の若手にとっては目から鱗のことがあったり、全く伝わらなかったり理解されなかったりすることも多い。そのため、プレゼンテーションには工夫が必要であり、研究会において他社からの質問は自分の会社をいろいろな角度から眺めるよい機会となる。

時系列に整理するというのがミソである。今できること、今できる技術や商品・サービスは保有する魅力や強みとしては大事だが、それがどのようなプロセスでできるようになったのか、その学習・修得プロセスがより大事であるからだ。組織としての学習・修得プロセスが共有されていれば困難や課題にぶつかった場合、その学習経験が生きる。それこそが、自分の会社の真の強みだからである。

 

 若手社員の背伸び

差し支えない範囲で、地域の経済団体の研究会等で若手社員が思い切り見栄を張り、知ったかぶりし、背伸びして意見を交換する。そのことで、これまで気づいていなかった自分たちの魅力を改めて発見し、それを伝える力が倍加される。

ここで大事なのは、思い切り見栄を張り、知ったかぶりする"背伸び"である。この"背伸び"により、地域の中小企業の若手社員は地域の仲間から新鮮な刺激を受ける。そして、瞬く間に"背伸び"した自分に追いつく。

言うまでもなく"背伸び"する機会をつくるのは、経営者の大切な役割だと思う。

 

 おわりに

中小企業の場合、社内だけでは同僚や仲間など、横からの刺激が少なく社員が育ちにくい。このような地域の研究会・勉強会を設定し、地域の中小企業の若手社員が"背伸び"し"見せっこ"することで刺激し合う。このやり方は、社内外の若手活用による会社のアピール力アップの現実的で有効な方法である。

同じような効果が期待できるのが、地域の企業集団がまとまって各種展示会へ出展することである。社長だけでなく中堅・若手社員も参加し、関心を持ちそうな潜在取引先に自社について説明を行う。

同じ展示会ブースなので他社の若手や経営者とも否応なしに接点を持ち、お互いに展示内容と方法について自社アピールについて刺激し合う。

傍から見ていると一見無駄なようだが、これは優れていて相互によい刺激になり人材と地域が育っている。

 

 

 

青森中央学院大学 経営法学部教授

塩谷 未知

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

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情報番号

 

 

 社内外の出会いを大切にして情報を収集し縁を活かす

20100373

 

 

 中小企業に合った人材採用法

20100622

 

 

 社員にやる気を持たせるための仕組みは?

01020232

 

 

 中小企業におけるインターンシップ制の活用

01040329