JRSメールマガジン

JRSメールマガジン(無料サービス)

JRSメールマガジンは、非会員の方も含め、購読ご希望の方に旬の話題やJRS経営情報サービスには掲載されていない経営情報を月1回メールでご提供しております。
購読を希望されるお客様は、まずはご登録をお願いいたします。

No.262 JRS メール配信サービス(2022.02.22)

JRSメール配信サービス発行

 

 

いつも、メルマガをご愛読いただき、有難うございます。

 

新型コロナウイルス感染症が日本で発生して3年目となり、事業環境は大きく変化しました。それに合わせて企業活動も変化を余儀なくされています。前月のメルマガでは、環境激変下の経営計画をどのように立てたらよいかをみてみました。

今月は、事業にとって重要な売上確保に直結する営業活動についてみてみたいと思います。従来の面会を重ねることによる営業活動が難しくなっている状況で、いかにして営業活動を進めていけばよいのか。青森中央学院大学教授でコンサル経験も豊富な塩谷未知氏に「リアルとオンライン営業のハイブリッド化が進む」と題して、解説していただきます。

 

 

リアルとオンライン営業のハイブリッド化が進む

 

 

 

新型コロナウイルス感染拡大防止のため人との接触を避けることが推奨され、対面(リアル、オフライン)の営業活動やミーティングなどの企業活動が制限されてきた。これまでも非対面(オンライン)による企業活動は行われてきたが、Web会議システムの進化と普及も相まって社会や企業活動に定着してきた。

新型コロナウイルス感染拡大によって多くの変化が加速されている。企業の生命線である明日の糧を獲得する営業活動においても、新型コロナウイルス感染拡大により営業スタイルの変化が加速されている。

首都圏においては2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催時、都内での交通渋滞や混雑を避けるために、オンラインを含めたリモートワークが推奨されていた。そのこともあり、とくに首都圏の企業活動のオンライン化は想像以上に進んだ。

 

 パンデミック前から営業はハイブリッド

大まかに捉えると営業活動は、潜在顧客の中から見込み客を見つけ、商談を行い契約、納品・検収、アフターフォローと進む。見込み客を見つけるには各種メディアを使った情報発信、商品・サービス紹介の展示会・セミナーをリアルで行い、関心を持った見込み客と対面で商談を行うことがごく一般的な営業活動だったと言える。

もちろん、業種や顧客によって、例えば消費財(BtoC*1)と生産財(BtoB*2)では営業活動の方法や内容は大きく異なっている。しかし、消費財の代表的な商品である加工食品においても流通企業との商談があるのが一般的である。

新型コロナウイルス感染拡大後、商談の場面でのオンライン導入が進んでいるのがここ2年の大きな特徴である。コロナ前でも商談の前後において、電話やメール、遠隔地になど一部にはオンラインによる営業活動は行われていた。その意味で営業活動は元々ハイブリッドだったわけである。

 最近特筆すべきことは、リアルでないと無理と思われていた、自動車に代表される高額耐久消費財、住宅などにもオンライン商談が導入されていることである。

 

★★★

*1 BtoCBusiness to Consumerの略で企業などの法人と消費者の事業で、消費財が多い

*2 BtoBBusiness to Businessの略で企業など法人と法人の事業で、生産財が多い

 

 

 オンライン(非対面)の商談は効率的な面も

リアル商談の実際を想定してみよう。引き合いや相談のあった、また何らかの関心のありそうな見込み客との訪問アポイントをとることから始まる。アポイントはメールや電話で行うことが多いが、新規のお客さんの場合は電話による日程調整が有効である。つまりメールでは何日の午前や午後という大まかな調整となりがちだが、電話では何時から30分などと細かに打合せができ効率がよい。さらに副産物としてお客さんの声から、人柄や商品・サービスに対する思いや感情のニュアンスを、商談前につかめるのがメリットである。

次に実際の訪問となる。アポイントの時間に遅れるわけにはいかないので、少し早めに到着する時間の余裕も必要だろう。また、自社から比較的近い所を訪問するにしても、午前中に1社、午後に2社、つまり13社ぐらいが限界だろう。

そして、商談に入る。価格や納期、品質などについて何らかの提案が必要な場合、その場で即座に対応できればよいができない場合は自社に持ち帰り、再度の訪問となる。このような商談活動を何度か繰り返す。

リアルの営業活動を商談に焦点を当てて振り返ったが、いくつかの非効率さが浮き彫りになる。商談時間のアポイントの調整はリアルでもオンラインでもあまり変わらないだろう。もっとも違うのは、訪問に要する移動時間と交通費・宿泊費、そして訪問前後の待ち時間、営業活動と直結しない無駄な時間が発生することである。また、商談数は13社が限界というのも商談件数が売り上げに直結するため営業パーソンには辛いところだ。

商談時に相手からの質問への対応、ニーズに対する次の提案も社内であれば、社内資料の参照や上司と相談などをリアルタイムで可能なことも多いだろう。

 

 リアル(対面、オフライン)は伝わる情報量は圧倒的

リアル(対面、オフライン)の商談は、五感を研ぎ澄ますことで相手の表情や仕草の動きから、相手のニーズ、興味や落としどころなどをつかむことができる。商品やサービスのプレゼンテーションも相手の表情に合わせながら柔軟に変えながらでき、相手の熱量を感じることができると同時に、自分たちの熱量を直接伝えることができるのが優れている。

また、オンラインでは難しい初対面の人との雑談により、お互いの人間性や親和性を理解でき、一瞬で人間関係の構築もできることもある。

アポイント、そしてお客さんを訪問する、その間ずっと研ぎ澄ました観察力でお客さんを感じ取ることでお客さんの雰囲気、商談相手の社内での立ち位置、幸運な場合は次のビジネスチャンスに出合えることも期待できる。

商談に直接関係ない雑談、これはとくに初対面の場合オンラインではとても難しいがリアルでは成立する。雑談をすることで商談相手のことや会社のこと、意思決定者は誰なのかまで把握することができる。そして、「ウマが合いそう」、「ビジネスのリズム感がいい」とお互いの信頼関係を短時間で構築することができる(もっともその逆なるリスクもあるが)。

 

 おわりに

新型コロナウイルス感染拡大を受け、急遽リモートワークとなり対面から非対面に移行し、思いのほか業務に支障がないと感じているビジネス人も多い。

リアルかオンラインかという0か1というわけでなく、多少、程度、よいところを組み合わせる。長続きする人間関係を築くにはリアルが明らかに優っている。また、オンライン営業によって思いがけない成果を上げるのは人間関係ができていないと困難である。

新型コロナウイルス感染拡大に関係なく電話を含めてリアルとオンラインを組み合わせてのハイブリッド営業のトレンドは定着し、今後の営業活動は臨機応変にそのバランスを最適に効果的にすることが求められる。

 

 

 

青森中央学院大学教授

塩谷 未知

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

JRS経営情報(PDFサンプル)

 

 

 

 

情報番号

 

 

 営業戦略に基づき組織的に営業活動を進め顧客満足を追求しよう

20100411

 

 

 トップ営業マンに学ぶ

20110869

 

 

 情報活用による営業力強化

01020872

 

 

 クラウドを活用した営業支援ソフトウェア

20190352

 

 

 

 

 

 

JRSメール配信サービスは、企業の皆様に役立つ情報を、
月1回、無料でご提供するメールマガジンです。
購読を希望されるお客様は、まずはご登録をお願いいたします。