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No.276 JRS メール配信サービス(2023.04.24)

JRSメール配信サービス発行

 

 

いつも、メルマガをご愛読いただき、有難うございます。

 

先月のことになりますが、野球の世界一決定戦、ワールド・ベースボール・クラッシックは、観る者に大きな感動を与えました。その時に話題となったのは、栗山監督やダルビッシュ選手を中心としたチーム内のコミュニケーションの良さということでした。

スポーツに限らず、会社など人が集うところで、若手も気持ちよく伸び伸び活動し、パフォーマンスを上げるうえで、コミュニケーションが重要なことが改めて示された形となりました。

そこで今回のメルマガは、コミュニケーションをもう一段良好にするための方法である「プラス1のコミュニケーション」について、人材育成やCS戦略などのコンサルティングを得意とするコンサルタント、加藤純子氏に解説していただきます。

 

 

 

プラス1のコミュニケーション

 

 

 

今回は、自分も相手(同僚・お客様)も属する会社(組織・家族・社会)、この3者をwin-win-winの関係に導くプラス1のコミュニケーション(以下プラス1)をテーマに掲げます。

 

「音連れ」(おとづれ)という言葉があります。幸せは音が運んでくれる。明るく前向きな言葉が周囲に幸せをもたらす。良い言葉と明るい表情に幸せは音連れる。音連れは自分自身に返ってくるだけでなく、人と人による交換により増大するのです。

 

あなたは自分の存在を過小評価していませんか。周りに与える影響力は小さな言動にも宿っています。出し惜しみせず、積極的に接点を持つことはコミュニケーション活動であり、会社におけるビジネス活動そのものです。

 

プラス1の特長は、その人の個性を生かせる点です。プラス1にマニュアルはありません。自分が付け足したいひと言や行動、態度という相手への働きかけ(ストローク)です。

例えば、微笑みを向ける、踵を合わせ真っすぐ立つだけでもプラスのコミュニケーションが成り立ちます。

ヒントが欲しい方のために、様々な例を紹介しますが、実はヒントはあなたの周りにあります。外食や買い物、WEBサイトや電話での問い合わせ、先輩や友人との会話、様々な場面で私たちはプラス1のストロークを受けています。

 

プラス1は、顧客獲得戦略分野でも活発化しているお客様の感動体験(CX)や従業員が享受する体験(EX)向上の一助となります。この喜びや充足感のサイクルを回すことは、お客様・従業員・会社という3者のwin-win-winを実現しています。そしてこの幸福感は社会へと還元されるでしょう。

 

しかし、このCXEXやプラス1には、個々が「気づき・行動・願い」を持っていることが肝心です。まずは、自身の内面に目を向ける必要があります。幸運な偶然を手に入れることを指すセレンディピティという言葉が昨今流行しています。そんなセレンディピティを相手との間に生み出すつもりで、他者との接点に意識を向けてみると、互いにプラスの感情を交換することができるでしょう。

 

会社で働くビジネスパーソンにとって3種類の顧客が存在します。社外・社内・社会顧客です。私たち一人ひとりは、この3方向に向けたコミュニケーション活動を行っています。そこでよく耳にするのが、お客様・相手・他者目線です。自分だけがOKwinの状態はコミュニケーション不足が起きている証拠です。皆がwinであるために知恵を絞り、意見交換をし、情報交流を行うのはコミュニケーションを活発化させるためです。皆にとってのwinには、一人のアイディアではなく、多様な人間の異なる感覚を用いた想像力が不可欠で、それこそがまさに創造力なのです。

 

プラス1の例

 

私は「相手に終わらせない」ことを心がけています。相手が去り際に「ありがとう、じゃあまた」と言えば、私は「こちらこそありがとう、楽しかったわ」という具合です。お客様が退席時に「本日はお時間を割いていただきありがとうございました」とおっしゃれば、私は「こちらのほうこそ、貴重なお話をお聞かせいただき勉強になりました。どうぞお気をつけて」という具合に。

 

プラス1とは、いつものコミュニケーションにもう一つ追加することです。店舗の接客等で、お客様が出て行かれた後にその後ろ姿を見送るシーンを目撃することがあります。社内の先輩に相談に乗ってもらった後に、メール等で「今日はありがとうございました」とお礼を述べることがありますね。これは当たり前の礼儀ですが、ここから先にプラス1があります。数日後に、結果を報告することがプラス1です。

 

自分のことは話したくないという方も、全てのコミュニケーションのシャッターを下ろすのではなく、表情やアイコンタクト、態度でも関係性を築けることを知っておきましょう。何かを聞かれた時や、何かを話し出した人に対して、「あ、それ興味ないので」といきなりシャッターを下ろす「シャッタートーク」は関係性にシャッターを下ろすことと同じです。

 

プラス1フレーズの例

 

あなたは相手のどのような気持ちを汲み取ることができますか。言葉にしない気持ちを汲み取ったからこそのプラスアルファのひと言が出てきます。

 

(いつもの言葉に続けてひと言)

・こんにちは+「いつもありがとうございます」

・以上です+「本日の私(私ども)のご案内はお役にたちましたでしょうか」

・来週のご来社を楽しみにしております+「○○さま、本日はご連絡をありがとうございました」

・こちらでございます+「他に何かお役に立てることはありませんか」

 

社内でもあなたらしいひと言がお互いの理解を深めます。

・かしこまりました+「チェレンジしてみます」

・ごちそうさまでした+「今日は思いのほか、楽しかったです」

・こちらが報告書です+「次回はレイアウトを工夫してみます」

 

先輩や上司の方も励ましを意識してみましょう。

・おつかれさま+「ミーティングでの意見、参考になったよ、次もその調子で」

・おはよう+「今日こそアレ提出してね、時間かけてるね、楽しみになってきたよ」

・ありがとう+「さすが、気が利いてる」

・助かりました+「あなたに任せて良かった」

 

プラス1アクションの例

 

心遣いや気持ちを言葉ではなく態度で示すことです。

・ひざを折って目線を下げる、目線をそろえる

・正面ではなく、情の空間(相手のナナメ前)に立ち直す

・相手よりも深いお辞儀

・最後のひと言までアイコンタクト

・もう一方の手も添える

 

プラス1は、真心を届けたいという想いから自然に出るものであり多少不格好でも構わないのです。大事なのは躊躇して引っ込めるのではなく、前に出していくこと。言葉や態度を潤滑油にすることでお互いの関係性が良くなっていきます。

 

誤解や批判を恐れてしまう人へ

 

上品なもの言いや、節度のある振る舞い、適切な言葉選びを心がけると良いです。たとえ間違っても、その時は再び態度と言葉でやり直せば良いのです。日頃から信頼関係が築けていれば、謝罪は受け入れられるでしょう。誤解もすぐに解けます。信頼は大いに力を発揮します。だからこそ、日頃からあなたの信頼残高を増やすことが大切です。日常的なプラス1は信頼構築にも有益なのです。

 

最後に、自分の可動域について振り返ってみましょう。可動域の狭い人は、私が言っても仕方がないと自分を過小評価している、自分には関係ないと他人事として切り捨てる、何が正しいのか自信がないと感じる等、実は私たちは不自由さを感じているのではないでしょうか。根拠のない自信やおせっかい精神は、自由な自分でいられるだけなく、知識が増えたり、経験を習得したり、人とのつながりができたりと、より広いスケールで生きていくことにつながります。心と行動の可動域には、ここにいれば安心だ、ここから出たくない、というコンフォートゾーンという思い込みがあります。これは自己成長や会社の成長を妨げるものでもあります。周囲と積極的に関わり、感じる心と伝える言動というプラス1コミュニケーションを通し、自分にとっての安全域を広げて、皆と一緒に成長し幸福を感じる毎日を送りましょう。

 

 

 

株式会社アイベックス・ネットワーク コンサルタント(JK22コンサルティング)

加藤純子 

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

JRS経営情報(PDFサンプル)

 

 

 

 

情報番号

 

 

 コミュニケーション

20110830

 

 

 社員にコミュニケーションの問題点に気づかせ、改善させる研修

11743226

 

 

 女性の挑戦の機会を奪う社内コミュニケーションの改善点

20220478

 

 

 マネジャーに求められるコミュニケーションとは何か

20200475

 

 

 スタッフを育てるコミュニケーション

20150876

 

 

 

 

 

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