JRSメールマガジン

JRSメールマガジン(無料サービス)

JRSメールマガジンは、非会員の方も含め、購読ご希望の方に旬の話題やJRS経営情報サービスには掲載されていない経営情報を月1回メールでご提供しております。
購読を希望されるお客様は、まずはご登録をお願いいたします。

No.285 JRS メール配信サービス(2024.01.29)

JRSメール配信サービス発行

 

 

いつも、メルマガをご愛読いただき、有難うございます。

 

AI技術の進歩やグローバル化の進展などによって事業環境は急激に変化しています。そのような中で企業が生き残っていくには、社員一人一人に持てる力を最大限発揮してもらうことが必要となります。

それを実現する方法として注目されているのが、社員の主体性を育て能力を引き出すエンパワーメントです。

 

そこで今回から6回にわたって、多くの企業で30年間にわたってエンパワーメント研修の指導をされてきた、八尾芳樹氏にエンパワーメントについて解説していただきます。

初回は、阪神タイガースの"アレ"についてです。

 

 

 

阪神タイガース アレ(AimRespectEmpower)が実現

 

 

 

2023年度のプロ野球日本シリーズは関西対決で、セ・リーグの覇者である阪神タイガースが"アレ"の"アレ"を実現し優勝した。筆者は神戸に在住しているが阪神タイガースのファンではない。ただ、負けても負けても応援している阪神タイガースファンのファンである。それは、小生ならあれだけ負けが続けばファンであることを辞めてしまうに違いないと考えていたからである。

十数年前、実業団のラグビー、バレーボール、バスケット、陸上、野球などのチームの選手や監督・コーチにエンパワーメントを指導した経験に加え、甲子園球場内にある阪神タイガースのフロントに、"どのようにしたらチームがエンパワーメントすることができるか"をプレゼンさせていただいたこともあった。先方の担当者には興味をもっていただいたが、監督が吉田監督から野村監督に交代したこともあり研修の話は残念ながら立ち消えになった。その後、筆者の母が亡くなる前のお正月に甲子園球場のある西宮市郊外の神社に初詣にいったとき、岡田監督(当時は解説者)もお母様と一緒に初詣に来ておられ、お目にかかったこともあった。そのような経緯もあったので、久しぶりにユニフォームを着て監督になられた岡田監督の采配には関心を持って見守っていた。その監督が1年目にして"アレ"を実現したのである。

さて"アレ"に話を戻すと、"アレ"の効果があったのかチームは優勝した。"アレ"の効用については、「優勝という言葉を使うとプレッシャーになるので、その軽減になったのではないか」「"コレ"であれば優勝は身近な存在であるのに対して、"アレ"は少し離れたところの対象であり、心理的な距離感として適切な表現であったのでは」と新聞紙面で各分野の専門家がコメントしていた。また、"アレ"の英語表記は、岡田監督の奥様のアドバイスがあったのではないかとネットで紹介されていた。その真偽は不明だが流行語大賞になるくらい注目されたことは間違いない。

さて本題に入ろう。筆者が興味をもったのは"アレ"の英語の当て字、Aim(目的)Respect(尊重)そしてEmpower(力の発揮)の『エンパワー』である。

エンパワーメントとは本来、女性や先住民など社会的に弱者である人たちが力をつけるという運動から始まり、ビジネス界では働く人の意欲や能力を引き出す考え方や方法として展開されている。

またコロナ後の社会では、「事実やデータなど客観的なデータで個々が判断していくことが重要である」と、イスラエルの歴史家ユヴァル・ノア・ハラリは提唱している。そして、この科学的根拠にもとづいた判断ができることをエンパワーメントであるとハラリ氏は言っている。時代とともにエンパワーメントの意味合いも変化しているようだ。

筆者はエンパワーメントについて、セルフ・エンパワーメント(個人が力をつける)、他者へのエンパワーメント(他者のエンパワーメントの援助)、そしてチーム全体のエンパワーメントと3つの柱として執筆した。(具体的な内容は執筆内容をご参照下さい)

さて、阪神タイガースがなぜエンパワーし、"アレ"を実現したのか、野球評論家の意見から代表的なものを拾ってみた。

1.適材適所の選手起用をした。

 特に守備については本人の適性を考慮しコンバートした。

2.フォアボールで塁に出ることを評価した。

 選手はヒットで塁に出ることを望み、年俸にも反映されていたが、岡田監督は    

 ボールを見極めフォアボールで塁に出ることも、ヒット同様評価するようフロ 

 ントに求めた。

その他、優勝した要因はいくつかあるだろうが、これら2つのことは企業経営やチームや職場をまとめ、パフォーマンスを高めていくことと共通するものがある。

人材を確保しやすい企業や職場ならともかく、現有能力でパフォーマンスを上げていかなければならない制約条件がある場合は、お互いの強みや長所を発揮できる適材適所が大切である。そして強みや長所が発揮できる方が働く人も長続きする。

また、選手にとってヒットを打って塁に出る方がフォアボールで塁に出るより満足感が高いのは言うまでもない。しかしチームにとってはフォアボールで出塁するのもありがたい。そして相手のピッチャーはいやがる。

このように本人にとってモチベーションが高くない仕事であっても、チームや会社にとってプラスになる仕事に対しては評価内容を見直すことも大切である。

 

 

 

株式会社アイベックス・ネットワーク コンサルタント

㈲YAO教育コンサルタント 代表取締役 八尾 芳樹 https://yao-ec.co.jp 

 

 

 

なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。

 

 

 

関連情報

 

 

JRS経営情報(PDFサンプル)

 

 

 

 

情報番号

 

 

 エンパワーメントとは  

20230414

 

 

 自己理解の2つの視点

20230415

 

 

 セルフ・エンパワーメント

20230423

 

 

 チーム・エンパワーメント

20230431

 

 

JRSメール配信サービスは、企業の皆様に役立つ情報を、
月1回、無料でご提供するメールマガジンです。
購読を希望されるお客様は、まずはご登録をお願いいたします。