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人生100年時代、半世紀以上働き続けることを余儀なくされている時代になってきています。その間には会社や周囲の社会が大きく変動し、新入社員当時に自分が思い描いた将来像が全く異なったものになっていくかもしれません。 こうした変わりゆく時代の中で、ビジネスマンは何を考えて、どう対処していくべきかについて、今回も人材育成や人材活用に造詣の深い元青森中央学院大学教授の塩谷未知氏に、「戦略的なビジネス人生」と題してお話をいただきます。
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戦略的なビジネス人生 |
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常々感じていることであるが、日本の社会は一見甘く優しいが案外冷たいところがあるのが現実である。まったく勉強しなくても大学を卒業できるが、会社に入った途端に「使えねぇ」などと冷たく言われることがある。また、ロストジェネレーションと言われる世代を生みだし、自己責任論のもとに1000万人単位のビジネス人が放置されてきている。 ?そのような社会で半世紀の間ビジネス人生を送るには何が大切かを、一緒に考えてみたい。
働き方やライフスタイルが大きく変化 高度成長を支えた日本型経営の特徴である終身雇用や年功序列は崩壊し、現在ではその片鱗が残っているに過ぎない。平成の頃までの大企業では新卒採用と終身雇用がセットになっていたが、現在ではそのような大企業ですら定年前退職が増える一方、中途(キャリア)採用を積極的に行っている。同時に会社の業績がよいときには難しかった希望退職などのリストラは、現在では長期の事業戦略を念頭に社員の入れ替えのために行われることが散見される。会社の業績に関係なく、いつリストラに遭うか分らないのが現実である。 かつてはライフステージごとにあった大きなライフイベント、例えば結婚、出産、住宅取得などの「適齢期」は無くなり、個人の価値観と意識で行動するようになっている。そのため、会社の定年を迎えても住宅ローンの返済や子どもの教育費が終わっていないことはごくありふれた光景になりつつある。蛇足ながら、昭和の時代には普通だった専業主婦という働き方は主流ではなくなった。 ずっと会社が面倒を見てくれる、同時に社員は会社に滅私奉公で働くという、所謂日本型経営の働き方は一般的ではなくなっている。自分と会社、そして世の中の変化を客観的に見つめ正面から対峙し、そのときに必要なスキルに億劫がらずに挑戦し身につけていかないと、言い過ぎかもしれないが世の中から落伍してしまうことも。
人生100年時代、半世紀以上働き続ける 人生100年時代と盛んに喧伝されてきた。ちょっと誇張し過ぎではあるが、公的年給受給開始年齢は制度的に上がる傾向であり、現実的には今でも70歳過ぎの繰り下げ受給が推奨されている。また、先ほど触れたように一人ひとりのライフイベント「適齢期」が無くなり、住宅や教育投資は現在の60歳代後半まで続くことがありふれた光景に。 それらの成り行きとして、普通の人は20歳ぐらいから70歳過ぎまで何らかの形で働き続けることになる。そうなると、若い時に身につけたスキルが50年以上ずっと役立つことは考えにくい。いつでもどこでも世の中と会社の変化に合わせてスキルアップやリスキリングし続けることが、楽しいビジネス人生を送るために求められる。 必要に応じて学校に入り学び直しをするという選択肢はあるが、時間とコストがかかり過ぎるのと、日本の社会や会社では大学などでの学び直しは案外評価されていない。たぶん、その傾向は当面の間変わらないので、仕事をしながら学習し続け、世の中と会社の変化に適応し続けていくのが現実的で賢明なやり方ではないか。
アタマ・カラダ・ココロの健康維持 働き方や生活は変化しているが、必要なスキルの習得はお気楽に考えたい。世の中の最新・最先端のスキルを追い続けることは普通のビジネス人には必要なく、世の中で求められる新スキルがそれなりに"こなれた"頃に集中して学ぶのがもっとも効率的である。 その時々に求められるスキルを効率的に身につけ続けるには、アタマ・カラダ・ココロの健康という基礎力の維持が前提となる。その基礎力をベースに必要に応じて新しい、あるいは馴染みのない必須スキルに億劫がらずに挑戦し身につけ続けるわけだ。 1つ目のアタマは良し悪しでなく、長い間学習し続ける習慣(クセ)である。新聞や雑誌、そして書籍を少しだけ読み続ける。たまにはBSの放送大学の授業を視聴するのは実務家にとっては、スキルを俯瞰的に眺め応用が利く理論に触れることができるのでとても役立つ。 たまには億劫がらずに「人が集まる」ところに出かけ自分で買い物をすることを続け、肌感覚で世の中の変化を知ることも有効である。いろいろなことに関心を持つ「三日坊主」を億劫がらずに面倒くさがらずに積み重ねる。その10年、20年の行動と蓄積が後に役立つ。 2つ目のカラダ、しっかりした食生活を維持し、バランスよい睡眠・休息と運動を続ける。毎日しっかり管理するのは忙しいビジネス人には非現実的なので週単位で欠落していることを補うのが合理的であり、野菜不足の週ならば週末には野菜をたっぷり食べるのである。 最後のココロのタフさは、いろいろな人の生き方を知り世の中にある多様な価値観に触れ続けることで鍛えられる。リストラや会社の倒産まで至らなくても、転職や転社、そして想定外の人事異動にぶつかったときに威力を発揮する。つまり、世の中のいろいろな生き方や価値観を思い出すことで、焦らず絶望せず現実に対峙し克服できるのである。
自分と仲間の才能や能力の「見える化」によって「縁」を拡げる 働き方と環境が大きく変わった現在、ビジネス社会では「彼・彼女は潜在力(ポテンシャル)がある」ということで、それなりに評価され優遇されることはなくなっている。自分の持っている才能や能力を「見える化」し社外を含めた周囲に伝える、同時に自分だけでなく仲間の才能や能力の「見える化」をプロデュースすることをやりたい。 自分や仲間の才能や能力を「見える化」することで、人や知識の「縁」というネットワークが拡がり、情報がより集まるようになる。情報が集まるとその情報は次の情報を運んで来る。それを繰り返しているうちにビジネスチャンスがたくさん集まるようになる。 さらに世俗的・現実的なことを言えば、身近な人だけでは「縁」は重なっているので案外狭い。そのため、例えば会社の倒産やリストラという危機が起きたときにはあまり役に立たない。そのときに役立つのは、身近な「縁」よりも少し遠い「縁」である。
おわりに アタマ・カラダ・ココロの健康維持をベースに必要となるスキルに挑戦し続ける。そして、自分と仲間の才能や能力の「見える化」をすることで「縁」を拡げ、自分と仲間に情報が集まるようにすれば、情報は集まるところに集まる傾向があるのでビジネスの機会をつかみリスクを避ける確率がより高まるのではないか。
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株式会社アイベックス・ネットワーク 委嘱コンサルタント(元青森中央学院大学 教授) 塩谷未知 |
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なお、「JRS経営情報」の次のコンテンツもご参考にしてください。
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関連情報 |
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JRS経営情報(PDFサンプル)
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情報番号 |
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◆ 習慣、スキル、理論、そして仕事観を身につける |
20230437 |
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◆ ベテラン社員のモチベーション維持 |
20230439 |
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◆ ビジネスパーソン必見!セカンドキャリアへの足固め |
20240308 |
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